・法律的な手続き
・法定相続と遺留分
遺言がないときは民法の規定に従って遺産を分割する事が決められていますが、これを法定相続といいま
す。
(図参照)
遺言があれば相続割合などを変更できるため不公平が生じかねません。全財産を特定の人に相続させ、法 定相続人がゼロといった事態にならないよう、民法には遺言でそのような記述があっても法定相続人には、一 定の分相続されるよう規定してあります。
これを「遺留分」といい遺言による不公平が起きないようにしてい
ます。
遺言者の自由になるのは全財産の二分の一で、残り二分の一は法定相続人に分割されるようにしてあ ります。但し、故人の兄弟、姉妹、甥、姪が相続人の場合遺留分はありません。
- 財産には、不動産、預貯金などの「積極財産」と、借金などの「消極財産」があります。相続するという事はこの両方を指し、どちらか一方は認められません。特に借金が財産となった場合、民法では「相続権の放棄」を認めています。相続開始を知った日から三カ月以内に家庭裁判所に申述書を提出すれば認められる事になっています。
■法定相続分早わかり表
法定相続人 |
相続割合(×印はその人が存在しない時) |
妻(夫) |
1/2 |
2/3 |
3/4 |
全 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
子(第一順位) |
1/2 |
× |
× |
× |
全 |
全 |
全 |
全 |
× |
× |
× |
親(第二順位) |
0 |
1/3 |
× |
× |
0 |
× |
0 |
× |
全 |
全 |
× |
兄弟姉妹(第三順位) |
0 |
0 |
1/4 |
× |
0 |
0 |
× |
× |
0 |
× |
全 |
■遺留分の割合
法定相続人 |
遺留分 |
子供だけの場合 |
相続財産の二分の一 |
子供と妻(夫)の場合 |
相続財産の二分の一 |
親と妻(夫)の場合 |
相続財産の二分の一 |
妻(夫)だけの場合 |
相続財産の二分の一 |
親だけの場合 |
相続財産の三分の二 |
兄弟姉妹の場合 |
なし |
・相続税から差し引かれる色々な控除
- 基礎控除
- 遺産による基礎控除
5000万円+1000万円×法定相続人数
- 生命猪保険等の非課税限度額 B退職手当金等の非課税限度額
500万円×法定相続人数 500万円×法定相続人数
- 配偶者控除
妻(夫)が相続した場合
@課税対象者となる遺産の総額×配偶者の法定相続分1600万円とする。
A課税対象となる遺産のうち、妻(夫)が取得した分。@とAのうち、少ない金額を、課税対象となる遺産の総 額で割り、それに相続税の総額を掛けた金額が妻(夫)の相続税額から差し引かれる。
- 未成年者控除
満二十歳未満の法定相続人が相続した場合
6万円×20歳−相続開始時のみ成年者の年齢が、その見成年者の相続税額から差し引かれる。
- 障害者控除
障害者である法定相続人が相続した場合
6万円×70歳−相続開始時の障害者の年齢が、その障害者の相続税額から差し引かれる。特別障害者の時 は6万円を12万円に代えて計算する。
- 贈与税額控除
相続開始前3年以内に贈与を受けていた財産の価格が、相続税の課税価格に加算される場合
納めた贈与税額から差し引かれる。
- 相次相続控除
10年以内に2回以上の相続があった場合
最初に納めた相続税の一定割合の金額を、2回目の相続税額から差し引かれる。
■相続税早見表
相続人の取得金額 |
税率(%) |
控除額 |
800万円以下 |
10 |
0万円 |
1600万円以下 |
15 |
40万円 |
3000万円以下 |
20 |
120万円 |
5000万円以下 |
25 |
270万円 |
1億円以下 |
30 |
520万円 |
2億円以下 |
40 |
1520万円 |
4億円以下 |
50 |
3520万円 |
20億円以下 |
60 |
7520万円 |
20億円以上 |
70 |
2億7千520万円 |
詳しくは住所地の税務署にお問い合わせ下さい。 |